2018年3月10日土曜日

【天草に伝わった活版印刷を背中に。DARGOコーチジャケット詳細解説②】

いつも熊本発インディーズT-shirtブランド【DARGO】のブログをご覧いただきありがとうございます。


本日はコーチジャケット前回の詳細解説の続きです。
もしご覧いただいていない方はコチラのブログをご覧になってから、以下の続きを読まれてくださいね。


(以下の詳細解説②はとても長いです)








というわけで、日本では地域名を記載したウェアの成立ってのはなかなか難しいがために従来のファッションシーンでは不文律的な部分があって誰も挑戦したがらない。で、DARGOは…? と、そんな類のお話でした。


昨年秋、僕の中ではその時点で春にコーチジャケットをリリースすることはアイデアとしてあったのですが、バックプリントのデザインを相当悩んでいました。
もちろん「KUMAMOTO CITY」とローカルの名前をREPし、記載することは前提として、です。


ウチみたいなインディーズT-shirtブランドはまだまだ全国に名の知れたメジャーブランドとは言い難いのが実情。そんな状況だからいつもウチを好きでいてくれるお客様にはとても感謝しています。そのような気持ちをいつも胸に留めていますが、いまできる限りの恩返しの方法は昨日より少しでも大きくなること。昨日より今日、今日より明日です。


別に有名になれば偉いとか、売れれば良いブランド、、、とは思っておりません。
僕の中の良いブランドとはそんなモノサシの上には存在しておらず、いかに目の前のお客様を満足させ、サポートできるかだと考えています。例えばDARGOのInstagramで言えばフォロワーは今どき1000人以下&600名前後と小規模かもしれませんが、まずは自ブランドのアイテムを通じて目の前のお客様たちを満足させたい!この方たちのプライベートをファッションを通じてサポートしたい!と、強く考えています。


それが出来ないことにはブランドとしても存在価値がないはずです。


で、あればウチはウチなりに挑戦していくしかありません。


ということでコーチジャケットのバックプリントにDARGOの本拠地であるKUMAMOTO CITYの名前を記載することを決意しました。が、やっぱりどうデザインしようか…(笑)
決意しては悩みの繰り返しでした。


で、悩みながらも時間は流れ2017年11月。
ひとつの出展イベントにヒントがありました。


熊本県に天草という海に囲まれた街があります。
魚介類が豊富に獲れ、自然豊かで、一言で田舎と言ってしまうには惜しいくらいにとても良い街です。


その天草で町興しの一貫として”天草大陶磁器展”というイベントが開催されます。
5日間で来場2万人、東京からも多くの来場者を見込むことができる大きな陶磁器展です。また、それに併行して熊本市内の作家や天草在住の作家を混ぜ合わせたサローネ(生活の見本市)である”アマクサローネ”も開催されています。


DARGOはこのアマクサローネに招待していただきました。


初めての天草出展。しかも5日間も。
そもそも洋服の需要がこの街にあるのかというところからのスタートですので、正直不安でしたが、結果的に天草のお客様にもDARGOのウェアをたくさん気に入っていただけて僕もホッとしました。


で、その際に宿泊所をお貸ししてくださって期間中さまざまなサポートをしてくださったのが同じくアマクサローネに出展されており、実行委員を務めていらっしゃったNINE LETTERPRESS (ナインレタープレス / 九州活版印刷所)の長島さんでした。

【NINE LETTERPRESS】
http://nine-letterpress.com/

【NLP ONLINE SHOP】
https://nineletterpress.stores.jp/

【NLP Instagram】
https://www.instagram.com/nine_letterpress/






長島さんはNINE LETTERPRESS(ナインレタープレス)といって、活版印刷と呼ばれる印刷技法を駆使し、販売用ポスターや店舗ポスター・名刺・フライヤー製作と多岐に渡ったプリントワークを行っておられます。(ちなみにNLPの作品はBEAMS JAPANのオンラインストアでも取り扱いがございます)


活版印刷とは

ドイツ人ヨハン・グーテンベルクがぶどう酒のしぼり機をヒントに印刷機を発明。
150年の時を経て、ヨーロッパを旅した天正少年使節が日本へ持ち帰り技術が由来しました。その後、1591年に長崎の加津佐から熊本県天草へと活版印刷は伝わりました。


その歴史ある活版印刷を今に伝え、残すべく古き技術を尊い新しい表現を模索しながら天草の地でNINE LETTERPRESSのポスターは作られています。



上の写真のように、WOODTYPE(木活字)と呼ばれるアルファベットの木活字を組み、ローラーでインクをコロコロとウッドタイプの表面に塗り、昔ながらの印刷「活版印刷」という手法を用いて印刷しています。使い古された味のあるモノから生まれる印刷は言葉の意味と響きをより一層引き立ててくれます。


プリントに使用した機械は「校正機」と呼ばれ、明治時代製のマシーンを手動で印刷していきます。擦れや滲みなど、手作業のため一枚一枚がオリジナルに仕上がります。

(上記は実際にプリントしたものです)



(大)(小)さまざまなサイズのウッドタイプを手に取り、それらを構成機に組み合わせることで自分の好きなパターンで印刷ができます。



いや、これ、見た瞬間にビビッときたんです。『こればい…。』と。
太く豪快なザ・アメリカンな書体とは違い、ヨーロッパ風な縦長でスタイリッシュなフォントをコーチジャケットのバックプリントに使えばクールにまとまるはずで、これでローカルの地名も上品に昇華できるはずだと。今までの僕にはこういった空気感を持った書体を使うという判断が、、、ありませんでした。


僕自身、アメリカ古着が好きで洋服にのめり込んだ経緯があるのですが、アメリカンな書体でコーチジャケットにバックプリントを施すと2018年的には "今風すぎる" 気がして、そこはあえて避けたかった。


しかしこの活版印刷のフォントは大人のコーチジャケットのバックプリントとしてかなり相性が良さそう。特にクセのあるセリフ(selif / 文字のヒゲ)はありませんが、ヨーロッパ風な書体が大人のウェアとしての雰囲気を誇示しつつ、何年経っても堂々と主張してくれそうです。


ということで、このポスターを刷った時点で新作コーチジャケットのバックプリントとして即決定。ウチとしてもモダンで格式ある書体でメッセージを表現できて大満足です。
しかもデザインの血は天草から受け継いでいるし、それを熊本市内にて手刷りで一枚ずつプリントを施す。これぞ純正なローカルウェアとして相応しい製作プロセスではないでしょうか。

























軽量で目の詰まったナイロン素材なので風も防いでくれるためナイロンコーチジャケットは春先の気分転換にバッチリ。冬の重たいヘビーアウターからの反動がものすごくてハマってしまいます。


3月上旬でTシャツ+コーチだと流石にまだ寒いでしょうが、今時期はスウェットやパーカーの上から "最後の仕上げ" としての着用がおすすめです。(逆にスウェット or パーカーのみだとまだ寒いはず…)


4月中はロングTee or Tシャツ + コーチジャケット、5月になると限られてきますが朝晩が肌寒いのでまだまだ活躍してくれますし、真夏は一旦寝かせて、また秋口から活躍してくれますね。ショーツと合わせてもめちゃくちゃカッコ良さそう。カリフォルニアっぽくて雰囲気めっちゃ良し。


なにわともあれ流行りのアイテムで終わらせないために、しっかりこだわって製作したローカルメイドのコーチジャケットが完成しました。なので"背中"で着てもらえると嬉しいです。


数量も限られているため、この機会に是非。



【DARGO】
Original Coach Jacket
ブラック(CLICK!!)
ゴールド(CLICK!!)



Narimatsu
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【DARGO John Bull Studio】
熊本県熊本市東区下南部3丁目10-26
ジョンブルアンティーク内
OPEN / 11:00~18:00
定休日/毎週火曜日

熊本市下南部にあるジョンブルアンティーク内にてショールーム兼工房を構えて作業中です。
親切なスタッフさんがお出迎えされますので、どうぞお気軽にご来店ください。


【ONLINE STORE】

・1点1点、手刷りでTシャツにプリントするということ

【Instagram】
・DARGO

・ディレクター(Narimatsu "RATS" )

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【DARGO Hand Screen Printed T-shirt】
-- Independent Japan Brand --
Inspired by U.S Culture,  Roots in California,
Work in Japan,  Heart in Kumamoto.
OFFICIAL HP:https://dargojapan.shopinfo.jp/
E-mail:dargo.japan@dargo2014.com

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