ちいさな ちいさな T-shirtブランド
ちいさな ちいさな ブログ
いつもご覧いただいている方に感謝です。ありがとうございます。
その分、普通のショップとは違う視点で、製作においてのストーリーをより詳しくご紹介していければと思います。
さて、本日は"KAGOSHIMA CITY" T-shirt <デザイン編 その②>ということでプリントについての解説を行いたいと思います。
今回のこのデザインもデザイナーZaitsuと入念に打ち合わせをし、紙とペンを使って一から描き起こしてもらいました。
以前、このブログでもご紹介した東京のアンダーグラウンドシーンを席巻するインディーズT-shirtブランド【HEAD GOONIE】代表のオオヤギミキさんは自身のブログでこんなことをおっしゃっていました。
『100点のTシャツを製作するために、まず下書きで30点くらいを目指す。シルクスクリーン版にするときにはイラストレーターにてデータ化しなければならなくて、その際に多少修正をかけるので、30点の下書きはそこで60点くらいになる。あとはインクの色やバインダーの性質をハマるものを選んで100点を目指していく』
これは本当にこの通りで、シルクスクリーンT-shirtが完成に近づいていくプロセスを具体的に表現した言葉になっていると思います。
『うわっ、これめっちゃいいじゃん』なんて興奮するくらいのクオリティで完成した下書きも、インクやバインダーの性質がハマらないと表情が曇ってしまう。まったく100点にならないんですね。
逆にコレどうかな~、なんて思うデザインでもプリントの配色を上手くハメるとめちゃくちゃ輝き出す。
そういう意味でシルクスクリーンT-shirtを製作する上で、プリントは重大なキーを握っていますし、デザインはある程度意味のあるものであれば素晴らしいT-shirtが出来上がるし、自分らしさを自由に表現できる。表現する際の このバランス感がプリントT-shirtの醍醐味なんだと思います。
・・・・・・
この話を踏まえた上で今回の”KAGOSHIMA CITY”のお話すると、すでに下書きの段階から60~70点のクオリティでして、製版した時にはデザインとして僕の中で90点近いクオリティになっていました。
九州の各県をイメージしたデザインを普段のアメカジスタイルに取り入れやすいT-shirtに昇華する。
これを九州ローカルシリーズと題して、2014年より熊本、福岡とリリースしてきました。
ジョン・レノンをパロディした”KUMAMOTO CITY”
そしてピーナッツをブートした”FUKUOKA CITY”
第3作目となる次の目標を「鹿児島県」に設定した際にデザインテーマとして思い浮かんだのが「芋焼酎」でした。
よくよく調べてみると芋焼酎は「Sweet Potato Shochu」というネーミングで日本から世界へ輸出されています。
世界的にも焼酎ファンは多いみたいで、焼酎関連の協会や団体も多く、鹿児島県もアジアの焼酎の発信地として美味しい焼酎を発信し続けています。
一方で僕はラベルパッケージに注目。
例えばアメリカのビールメーカーのデザイン。
どれもめちゃくちゃカッコいいです。
ファッション的にも柄や生地のデザインにサンプリングされたりして、ことバドワイザーにおいては日本のアメカジ業界においてはとても人気の柄です。
バドワイザーの総柄シャツってのが古着であるんですけど、ビンテージ業界ではとても人気のアイテムでした。
でも、そんなのは出回ったら即SOLD。
服が売れないと言われるご時世にも関わらず、時代や年齢を問わないデザイン力や信仰性を持っています。
この現象を自分になりに分析しましたが、やはりそれだけアメリカ本国を象徴していることを表していますし、アメカジ好きにとってはアメリカの匂いがするデザインをファッションとして取り入れることは本当に感動的なことなんだと思います。(僕もその一人です)
でも???
なんで???
世界レベルの焼酎のパッケージデザインが存在しないの???
必要かどうかの論はさておき、世界から見て日本の象徴と呼べるような焼酎ラベルが存在していますか?
一部のファッション意識の高い日本人はアメリカのビールメーカーの柄は好きなのに、日本のアルコール飲料メーカーの柄はファッションで全然着ない。外国の方も着ているのでしょうか?
これって単純にデザインがファッションで活きないからでは?スタイルにハメにくいからでは?それともプリント技術のせい?
僕自身、段々そう思うようになってきて、気付いた時にはking of beer と称される【Budweiser/バドワイザー】のデザインに対抗できるような、世界にむけて発信できる焼酎のパッケージデザインをT-shirtで表現したいという想いが心に湧いていました。
そんなわけで紙とペンとアイデアだけを頼りに、"FUKUOKA CITY" T-shirtをリリースしてから1年4ヵ月後に新作"KAGOSHIMA CITY"T-shirtの完成にたどり着いたのです。
製作にあたり、世界のビールメーカーのラベルパッケージをたくさん見比べましたが、リボンと額縁のようなデザインは古今東西と続くデザインには必要不可欠ということが判明しました。
あまりにも多くのデザインで使用されている歴史に残るデザインフォーマットです。
芋焼酎を世界にむけて、ということで鹿児島で作られる芋焼酎が持つ自信を英語で発信。
"The best Japanese Shochu is rooted in the local"
"and Shochu intoxicating the world"
これは「日本で一番おいしい焼酎は地域に根付いている。そして焼酎は世界を酔わせる」という意味で、個人的にも気に入っているメッセージです。
バドワイザーも自分たちでパッケージにking of beer って書いてるんですよね。
そもそもビールの王様って誰が決めるんだよ。味か?売上本数か?
甲本ヒロトのカップラーメン論争的になりそうですが、とにかくこれは自分で肩書きを称することでking of beerとしての企業活動をしなければならなくなります。
世界でバドワイザーが認知されているのは愛飲してきたファンのおかげですが、要因としてking of beerを作り上げてきたBudweiser社の従業員の努力もとても関係するはずです。
それに加えて日本の焼酎ラベルは控えめな印象が目立ちます。
記載されているパターンは①「商品名」②「山や海や動物などの産地の代表デザイン」の2点に絞られており、自己主張はけっこー抑えめ。
輸出用のデザインとして英語表記で販売しているメーカーもありますが、せいぜい「芋焼酎」を「Sweet Potato Shochu」と表記してるくらいで、国内向けとくらべてあまり変わり映えはしません。
DARGO JAPAN 酒造では世界に誇る焼酎メーカーとしてking of beerに負けないメッセージを自社のラベルに記載することにしました。
あとアルコール度数はお湯で割ってもキリッと香りが残るように25%に。度数はとても大事です。
・・・・・・
そんなこんなで九州ローカルシリーズ第3弾は酒造メーカーのパッケージデザインに決まったのです。
上記でお話したように個人的にも下書きの段階で満足のいくデザインが完成したと思っています。
そしてこのT-shirtを製作する上で、このデザインを崩さない<プリント技法>にもこだわりました。
次回はそちらを解説したいと思います。
ブログの内容、濃いですか?もうサラッと紹介するのは飽きました。。
が、製作にあたってのストーリーも僕の中では作品の一部です。
お客様にとっては一部じゃなくても、目を通していただけると嬉しいです。
ではでは、長いので今回はこのへんで。
Narimatsu
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DARGO Hand Screen Printed T-shirt & Sign Art
熊本市下南部にあるジョンブルアンティーク内にてショールーム兼工房を構えて作業中です
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【DARGO John Bull Studio】
熊本県熊本市東区下南部3丁目10-26
ジョンブルアンティーク内
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・1点1点、手刷りでTシャツにプリントするということ
・ディレクター(Narimatsu)
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