2016年10月7日金曜日

【"KAGOSHIMA CITY" T-shirt <プリント編>】

いつも熊本発インディーズT-shirtブランド【DARGO】のブログをご覧いただきありがとうございます!


前回までは<デザイン編>と題して、


”どういうテーマで製作に至ったのか”
”どういうことを意識してデザインしたのか”


を解説させて頂きました。


本日は<プリント編>ということで、ウチみたいな弱小ブランドが他社とは違うやり方でシルクスクリーンT-shirtをつくる上で、肝になるプリントについてお話させて頂きたいと思います。




・・・・・・




まず、使う道具はいつも通りのウッド枠シルクスクリーン版と水性インク。







これを使うことで新品のT-shirtにプリントを施してもインクのカスレや滲みなどの個体差が生まれ、まるで60~70年代のT-shirtが発展途上だった”あの頃”の雰囲気を袖を通して感じて頂けます。


で、プリントって基本的には色を重ねれば重ねるほど鮮やかになります。
つまり重ねるほどデザインに迫力が増すので、存在感が生まれ、よりアーティスティックなものへと昇華されます。


ただし、色の数だけシルクスクリーン版も用意しなければいけなくて、たとえば1枚のボディに4色プリントするなら4版用意しないといけません。


プリントT-shirtって、つくるのにお金かかるんですよね。


版を揃えたり、プリント料金を加えると資材費って結構かさばる。


となると、ビジネスとして一般的には売れるか売れないか分からないファッション衣料にそんな何色も色を重ねていられないじゃないですか。


だからこのご時世、大手メーカーでもせいぜいプリントは2色まで。
カッコいいデザインを描くけど、コスト削減して作りまくる。そうなると大体1色が多いですね。


そうなると、シルクスクリーン版を3~4色重ねたT-shirtなんて店頭で滅多に見ることができなくなりました。


傾向としては、外人のモデルさんに無地やポケットT-shirtを着用させ、良く魅せ、セールスすることが最近は多いかな?
無地だとプリントも版も用意しなくて済むのでメーカー側もコストが抑えられ、リスクも比較的に減少する。


だから、事前にコストが安い商材の売れるブームをつくる。


という背景を踏まえると、ウチみたいなアパレル業界の末端が普通にプリントT-shirtを作っていても意味がない。宣伝広告費もそんなバカみたいにかけれないので。
大手メーカーがかけない手間をかけないと、やってる意味もないな~って感じ。



というわけで”KAGOSHIMA CITY” T-shirtのデザインも前回お伝えした通り、画力にはとても満足しておりますが、この画力に負けない質の高いプリントを施したいと思いました。
DARGOってのは、ココにしかない一枚をプリントしなくちゃいけないんです。


でも九州ローカルシリーズは第2弾まで税込4536円でリリースしてるし、価格も急に値上げできないので版の数も増やせない。とりあえず製版を1色でいくしかないな~


そんなところから、デザインの迫力に負けない色探しが始まりました。




・・・・・




順にプリントの解説を行います。
今回、KAGOSHIMA CITYはブラック・グレー・ホワイトの3色をリリースしました。





<ブラック>








ブラックに染込むホワイト。






染込みプリント」はビンテージTシャツ等でよく見られる人気のプリント技法です。
通常、明白生地にしかプリントできず、濃色生地にプリントすると生地の色が勝ってしまい、色がほとんど映らなくなります。


が、今回は提携先のインク屋さんに特殊に調合してもらった染み込みホワイトというインクを使い、濃色ボディにもプリントできるようになりました。


テカテカしたホワイトラバーもいいんですけど、
それとは違い、光沢感が抑えられとても渋い雰囲気に。




同じ白でもホワイトラバーとは違う。
ブラックはこの染み込みホワイトでプリントして正解でした。






さて、問題は<グレー>です。


焼酎のラベルパッケージということで、書道で使う朱色のようなインクでプリントしたかったのですが、インクの色が薄すぎると下から生地のグレーが赤を透過してしまいどうしても安っぽい赤色に映ってしまったんです。


当初は右上の色をねらっていましたが、どうしても下からグレーが写る。
真ん中上・左上の色に近づけたいけど迫力が足りない…。


DARGOのT-shirtは量産品じゃないし、そんなチープなことを、ましてやファッションの歴史が強い熊本の地で製作できるわけないじゃないですか。


それでハッとなって気付いたのが
グレーの上に下地を引いて、
染込ませるとどうなるのか。


それが写真に写っている真ん中・右のピンクの色味です。
下地に白い染み込みインクをプリントし、上から右上と同じインクをプリントするとトーンが淡くなるじゃないですか!しかもグレーも透過していない!


これはヤバいね。ってことでめちゃくちゃ濃いレッドのインクを製作。


実践に移ります…。







まず、下地を引いて、、、






上からめちゃくちゃ濃いレッドをプリント。
出ました!目指していた朱色です!






グレーを透過することなく、とても完璧なレッドをプリントできました!





ちなみに・・・




左:2色重ね 右:原液のみの1色








個人的な感覚ですが、焼酎モチーフであるこのデザインをT-shirtにプリントするにあたって、このトーンしかないという絶妙な色を探し当てたと自負しております。





遠くから見るとは1色ですが、
実は2色重ねているということで
実際にお客様は3色見ていることになります。




①原液レッド ②重なったレッド ③白










ネット上での拡散ありきの時代に何とも写真映えしない技法を用いて大変申し訳ないのですが、こうすることでボリュームが増し、1版でも迫力のあるプリントが可能になりました。







<ホワイト>







無駄、、、といえばそこまでですが、
実はホワイトも白引きして、上からブラックを重ねています。
こちらも色が少し弱まり、サラのブラックよりマイルドな色になりました。




こうして”KAGOSHIMA CITY” T-shirtのプリントは完成しました。
一般的には需要のないプリント技法ですが、分かる人からすれば迫力の違いは一目瞭然。


ましてや熊本人が鹿児島をイメージしたデザインのT-shirtを製作するんだから、このくらいしないとダメですよ。


唯一無二なシルクスクリーンT-shirtはご注文を頂いてから専用スタジオにて1点ずつ手刷りでプリントを施します。
ご注文日から発送まで4~7日ほどお時間を頂きますが、刷りたてのT-shirtがお手元に届くまでしばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。





【STYLE】 171cm MEDIUM着用

実はDARGOのT-shirtって
Levi's, Vansのカリフォルニアスタイルにしっかり馴染むように製作しています。
(理由は僕がこのスタイルが大好きだからです)


もちろん古着との相性も抜群ですので、皆さん想い想いのコーディネートでもっとT-shirtを楽しんで着てみてください^^
Instagramもハッシュタグ #dargojapan で掲載して頂けると嬉しいです。


さて、とても長くなりましたが<プリント編>の解説でした。


僕らはこれからも手軽で使えて安いモノづくりを目指すより、王道のアメカジスタイルに馴染むけどネットで探さないと見つからないようなシルクスクリーンT-shirtを作りつづけていきたいと思います。



では、本日は華金ということで
芋焼酎を飲みに行きますのでこの辺で。




【DARGO ONLINE STORE】
コチラか!(CLICK!!)




Narimatsu
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熊本市下南部にあるジョンブルアンティーク内にてショールーム兼工房を構えて作業中です

【DARGO John Bull Studio】
熊本県熊本市東区下南部3丁目10-26
ジョンブルアンティーク内

OPEN / 11:00~18:00
定休日/毎週火曜日

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・1点1点、手刷りでTシャツにプリントするということ
・ディレクター(Narimatsu)

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